書評

「坂の上の雲」

(1)作品について 「坂の上の雲」といえば、長編小説(単行本で6巻、文庫本で8巻)、歴史小説にして経営者愛読書という3つの心理的ハードルからこれまで「読まず嫌い」してきた。 しかし、実際に読んでみると、まず文章が極めて平易で、まるで清水義範のよ…

「待っている男」

待っている男 (角川文庫)作者: 阿刀田高出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1986/06/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 短編小説の名手、阿刀田高のミステリアスでエロティックな9編の作品集。*1 難しい表現は一切使わず、的…

「子どもが道草できるまちづくり」

タバコと同様、クルマもまた、製造・販売・使用自体は合法であるにもかかわらず、多くの人命を奪い、安全と健康を脅かし、自然環境を汚染・破壊する存在である*1。それだけでなく、クルマは、子どもを通学路から「安全」な屋内に追いやり*2、公共交通を衰退…

「テレビが言えない地デジの正体」

2011年7月24日に向け、巨額の血税を投入して推進中の「地デジ化」とは、胡散臭い利権の数々、複雑怪奇な機器設定、不必要な高画質・多機能化、厳格すぎる著作権保護、そして肝心のコンテンツはプアーなまま..一言で言えば、国民不在のテレビ行政・業界の暴走…

「ブレイブ・ワーカーズ」

「ブレイブ・ワーカーズ」(バーチャルメディア工房ぎふ/編 四六版上製本160ページ 価格:2,100円(税込))当法人の登録ワーカーや、卒業生(自立・就職した人)、スタッフなど10名が、現在の仕事や生活、そして将来の夢などを自由に語ったインタビュー集…

「禁煙ファシズムと戦う」と戦う

禁煙ファシズムと戦う (ベスト新書)作者: 小谷野敦,斎藤貴男,栗原裕一郎出版社/メーカー: ベストセラーズ発売日: 2005/09メディア: 新書購入: 4人 クリック: 418回この商品を含むブログ (69件) を見る 誤った前提(喫煙リスクの過小評価)に始まり、理屈をこ…

ポケット数独2 上級篇

ポケット数独2 上級篇作者: 株式会社ニコリ出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/09/23メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る 途中3ヶ月のブランクをはさんで、約半年がかりでようやく完走。この本の難易度は…

ドラえもん 日本の歴史がわかる (1) (2)

たった2冊に縄文時代以前から平成時代!まで、日本の全歴史をまとめた超コンパクトさがとてもすばらしい。歴史を学ぶには、まず大きな流れをつかむことが肝要。枝葉の部分は、あとで付加していけばよろしい。なにより2冊だけなのでとても安い。しかもアマ…

ポケットスタディ 高度試験共通 午前1・2対応 (情報処理技術者試験)

2009年春から大きく変わる情報処理技術者試験制度に完全対応。「午前に弱い」と言われる「現場のプロ」にうれしい懇切丁寧なヒント付きで、文系人間にもわかりやすい。例えば、待ち行列の公式の覚え方は、目からウロコ、コロンブスの卵。J−SOX実施基準の…

「裁判員制度の正体」

デキの悪い、スジの悪い制度の問題点を徹底的におちょくる論旨が痛快。本質的な問題を考察することなく、カタチの議論を優先させてつくった制度は、失敗していくのが世の常である。*1 裁判員になりたい人も、なりたくない人も、まだわからない人も、とにかく…

「要約 世界文学全集」

古今東西の名作計62編を、たった2冊の文庫本に要約。定価で買っても1編あたり税込み21円ちょいだが、これをブックオフもどきの古本屋で2冊210円で購入したので、1編あたり3.4円に満たない。 要約といっても、ストーリーのサマリーではなく、原…

「絶対音感」

絶対音感 (小学館文庫)作者: 最相葉月出版社/メーカー: 小学館発売日: 2002/09メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (31件) を見る「稼ぐが勝ち」「博士の愛した数式」に続く、往年のベストセラーシリーズ第3弾(powered by BOOK OFF)。 絶対…

「博士の愛した数式」

今さらながらではあるが、「博士の愛した数式」を初めて読んで感動した。 こんなに美しい文章は、今まで見たことがない。 散文として曖昧なところは一切ないのに、どの一節を抜き出しても一篇の詩として、成立している。 各々三人に役目があること。お互いの…

「稼ぐが勝ち」

稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方作者: 堀江貴文出版社/メーカー: 光文社発売日: 2004/08/07メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 19回この商品を含むブログ (109件) を見る金儲けなんて カンタンです 社長になって カネを動かせ! 日本を動かせ! (…

「まだ、タバコですか?」

タバコの害については、すでに多くの実証的分析がなされている。発ガン性物質、放射性物質(ポロニウム210)をも含む多種多様な有害物質。そして喫煙とガンやCOPD*1、バージャー病*2などの重篤な疾病との密接な関係。喫煙者の寿命が相対的に短いといって…

「格差が遺伝する!」?

格差が遺伝する! ~子どもの下流化を防ぐには~ (宝島社新書)作者: 三浦展出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2007/05/19メディア: 新書 クリック: 13回この商品を含むブログ (27件) を見るいかなる境遇にあっても、健康で文化的な生活を心がけ、生きる意欲を失わ…

孤独のグルメ

書店で原作者の久住昌之の名前を見つけて即購入。同氏の名作「ダンドリくん」の劇画版といったところ。 この本、発売は1997年だが、数年後ネットで評判になり今や10万部突破した由。インターネットがなければ、こういうサブカルチャーな物件がブームになる…

「企業集団の内部統制」

目次: 第1章 企業集団とリスク管理 1.企業集団の経営 2.企業集団とリスク管理の特異性 3.企業集団における内部統制が問題となった事例 4.企業集団におけるリスク管理の方向性 第2章 内部統制関連規定と企業集団における内部統制システム 1.内部…

一音入魂!全日本吹奏楽コンクール名曲・名演50

ついに出た!日本吹奏楽界の最高峰、全日本吹奏楽コンクールの栄光の歴史を彩る名曲・名演の数々を熱く語る。それらにまつわるトリビアルなエピソードも読み応え満点。吹奏楽を知る人も、知らない人も必見の一冊。 名演を聴きたい方は、下記のサイトから、1…

はじめてのクラシック

はじめてのクラシック (講談社現代新書)作者: 黒田恭一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1987/10/19メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る20年近く昔の本だが、オビには「『のだめカンタービレ』でクラシックにハマった…

でっちあげ

でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相作者: 福田ますみ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/01/17メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 175回この商品を含むブログ (48件) を見るまるで、筒井康隆の「乗越駅の刑罰」を地で行くようなドキュメンタリーであ…

「IE問題の解決」

IE問題の解決作者:川瀬 武志出版社/メーカー: 日刊工業新聞社発売日: 1995/11メディア: 単行本フト思うところあり、数年前に人に薦められて読んだ本を引っ張り出して読む。タイトルは「IE」よりも「問題解決」に力点がある。読むたびに発見があり、考えさ…

これだけは..「内部統制の考え方と実務」

斯界の第一人者にして最高権威、金融庁企業会計審議会内部統制部会長による(財務報告に係る)内部統制の解説本。しかし、その内容は、???な点が.. 「内部統制でライブドア事件は防げたか」という興味深い一節。 ライブドアでは、以下の点で内部統制が有…

意図的誤訳

「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史 (新潮新書)作者: 多賀敏行出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/09/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 34回この商品を含むブログ (10件) を見る「IT革命」のように、外国語を自分の都…

「古奈屋」のカレーうどん

昨日の夜、ひょんなことから「古奈屋」のカレーうどんを食べてきました。人身事故の影響で総武線が大幅に遅れ、東京駅が大混雑だったのを避けて、OAZOの丸善で時間をつぶし、ついでに4月からの新職務に備えるべく、以下の3冊を購入しました。 「事業継…

カーネギーの名言

子供が熱を出したので休日救急診療所へ行く。ここはいつも混んでいる(建物だけは立派なのに、医師・看護師の数が圧倒的に不足している。これが日本の福祉の現実。ということはさておき。あと事務の効率化が遅れ会計もノロノロ。これが日本のITの現実。と…

唐沢俊一とトリビアの泉

最近、テレビでよく雑学ネタをやってる唐沢俊一の「トンデモ一行知識の世界」(ちくま文庫)を購入。テレビを見たとき、これって「トリビアの泉」パクリ?と思ったら、実は子供のころからの雑学マニアで、「トリビアの泉」のスーパーバイザーも勤めていると…

ヒゲオヤジの冒険

台風の影響で大幅にダイヤが乱れる中、「ヒゲオヤジの冒険」を読みながら帰宅。外の嵐のことを忘れるほど、めっちゃおもろい。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309406637/qid%3D1098281024/249-1650786-8992332

カーネギーの「人を動かす」

カーネギーの「人を動かす」。当然のことが当然のようにできないのはなぜか。とりあえず、事例がおもろい。この本を読んでから人に接すると自然と寛容になり、笑顔になる。著者はあの鉄鋼王カーネギーとは別人と知り、愕然。本の中で何度も登場させているの…

山本ルンルン

しばらく日記をサボってしまったが突然再開。どーせ誰も読んでないから無問題?^^);アニメ「マシュマロ通信」で人気急上昇中(たぶん)の山本ルンルンの「オリオン街」を買う。いちおう、ムスメ用との名目で自分も読む^^); http://www.geocities.co.jp/Anime…