「絶対音感」

絶対音感 (小学館文庫)

絶対音感 (小学館文庫)

「稼ぐが勝ち」「博士の愛した数式」に続く、往年のベストセラーシリーズ第3弾(powered by BOOK OFF)。
絶対音感は、持っていれば便利だが、邪魔になることもある。演奏するにしても、聴くにしても、アマチュアで楽しむ分には必要ないが、音楽で生計を立てていこうとする人にとっては、非常にデリケートな問題となる。
ノンフィクションものだが、長編推理小説のように謎が謎を呼び、夥しい文献や人物にあたった末に、結局謎は謎のまま終了。
感動を与え/与えられる音楽という人間的な営みにおいて、「絶対」といえるものなど絶対にないということか。
三度の和音(例えばドミソのミの音)は低めに。ソロを吹くときはメロディー全体を気持ち高めに。など、昔懐かしいくだりが随所に登場。