「静岡県知事の川勝平太でございまんねん。このたび、令和6年度4月1日をもって静岡県庁の職員として職に選んでいただいておおきに。静岡県庁の職員、5800人ぐらええるんやけれども、県庁の職員ずぅぇえええぇぇええんぶを代表いたしまして、心からご歓迎を申し上げたいと思うで。
難関やったんやないやろか？そうでもないやろか。聞くトコによると、県庁の職員になるには、かなり高度な知見をマスターせんといけへんと、かつその他の準備があるちうふうに聞いておるんや。こういう形で皆様方、同期になられた数は233人であるんや。
ほんで、今日本庁に配属になりよった方たちが77人いらっしゃるちうわけや。残り156人の方たちは今日1日からそれぞれの出先機関で辞令をお受けになり、ほんで今研修を受けられとるちうふうに承知しておりまっけど、ともあれ、本当は全員にお顔を見せとっただき、またお話をしたかったんやけれども、77人の方だけとはいえ、こうした形でお目にかかれエライうれしい気持ちや。
今年はご案内のとおり、能登半島やさまじい地震がございまして、また厳しい生活を送られとる方がたくはんいまんねん。一番最初に心得ておくべきことは危機管理や。静岡県はみなさまが生まれるはるか前、1979年、昭和でいうと54年になるでっしゃろか、そのころに東海地震説が唱えられまして、東海地震、確実に静岡県は被害を受けるちうわけや。1979年のことでござおったんやが、それ以来、毎年危機管理のための防災訓練をして参りたんや。そのうち、東海地震だけで単発で起こるのではなくて、東南海地震と連動する可能性もある、いや、南海地震と三連動する可能性もあるちうことにもなりまして、今は南海トラフの巨大地震、これはプレートテクトニクスによって起こる地震ちうことやけどアンタ、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むときにずれて、起こる地震。この地震が仮に起こるんやと、なあんもしなかった場合30万人ぐらいの方たちが犠牲になると言われていまんねん。そのうち、静岡県だけで10万人くらい犠牲になるちうそういう数値が2013年ぐらいに出たんや。静岡県では、もうその時からそれを0にしようちうことで、現在は8割ぐらいの人が、想定やけれども、助かる形になっておりまして、せやけど全員が助かるちうわけにはいかないちうわけや。やろから、能登半島の大きな地震ちうのは決して他人事ではおまへん。
従って、いつ何時そういうことが起こるかもしれへん。わいどもはパブリックサーバント、公僕やろから、まずはオノレが元気でいなくてはいけまへんので、自己の危機管理を最ヒイキにしつつ、いっぺんに人を助けるちうことやろから、この人助けのために何をするべきか、それぞれの班なり部局で何をするべきかちうことが共通認識になっておるさかいに、また抜き打ちの場合によっては防災訓練が行われる可能性もあるんや。そのときに戸惑いまへんで落ち着いて人を助けるために、まずオノレが何をするべきかちうことを心得ておかねばならへんちうふうに思うで。
これがまず、静岡県の県庁として、360万人のヤカラの生命と財産を預かっておるさかいに、これを守るちう危機管理をしっかり胸の中に畳み込んで仕事をしておくんなはれ。
ほんで公務員やろから、人の役に立つ、社会の役に立つちうことがどエライ大切や。なかなかオノレでそういう気持ちを持っていても、それができるものではおまへん。そのためには、やはり職員の皆様方は立派だちうふうに尊敬されとることがどエライ大切で、これからコンプライアンスといって法令遵守のこと、いろいろ言うかもしれまへんけれども、基本的に公務員として「身にわいをかまえへん」と公務においては「身にわいはかまえへん」、大切なことやね。
ほんで公の仕事をしておるさかいに、「心は素直で嘘偽りを言いまへん」ちうことがどエライ大切なことや。ほんで、ちーとばかしややこしいかもしれまへんけれども、「上にへつらいまへん、下に威張りまへん」と言いましてね、下はいまへんね。やろから、上にはへつらいまへんと、そういう気持ちが出てくると、逆にいばる人がいたら、こういうような上司にはならへんと、反面教師にしておくんなはれ。「上にへつらってはならへん。下に威張りまへん」。
言葉遣いがどエライ大切や。やろから、やまんねん調ちうのが基本になるようにしとっただければと思うで。上司の方々もそれを心掛けていまんねんけれども、年齢が離れとったり、責任が違おるさかいに、場合によってはタメ口になるかもしれまへんけれども、基本的に言葉遣いや礼儀正しくすることがどエライ大切や。
ほんで何よりもやね「人の艱難（かんなん）はこれを見捨てへん」人が困っとるときに助けるちうのがうちらの仕事や。ただ、それぞれ預かっとる部局によって、これはオノレの担当ではおまへんちうことがあるかもしれまへん。やけど、静岡県庁に来られるヤカラは何ぞ助けを求めて来る人、援助を求めて来る人がおるさかいに、どうしたらこの人の力になれるか、それを一緒に考えるちうことが大事やね。そういう癖を持つ。これは先例がない、前例がないとかちうことでなく、どうしたらこれを解決できるかちうように考えると、皆はんもこれから60すぎぐらいまでお仕事をされるわけやけれども、さまざまな部署に行かれると思うで。そのときにどういうふうにすると、一番ええかなちうこと、仮にその決定権を持っていなくても考えるちうことが大切やね。もし可能なら、その担当部局の方に紹介して差し上げるちうことも、それをできる勇気を持っていれば、大したものや。「人の艱難はこれを見捨てへん」ちうことやね。
ほんでうちらは「ふじのくに静岡県」と言いまんねん。富士山、これは2013年6月22日に世界文化遺産になったんや。信仰の対象、また、芸術の源泉ちうことで、品格のある姿、その姿をオノレの心の姿にしとっただければと思うでね。富士山に向かって恥ずかしいことをせん。ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん，要は、オノレ、天知る地知る、己が己のことを知ってまっしゃろから。天知る地知る、ほんで自らも知っとるちうことで、そこにやね、富士山を鏡として恥ずかしいことはせんちうことや。
ほんで、皆はん優秀やろから、なかなか思いが分かってくれへん人がおるかもしれへん。そういうときに情理を尽くすちうことが大切や。理屈ではわかってても、腹にすとんと落ちないトコロがあるんや。やろから、HEART TO HEARTで、心からこうすると本当にええちうように言って差し上げると、すとんと落ちる場合があるちうわけや。やろから、情と理、情理を尽くしてオノレが正しいと思う信念を貫くちうことが大切や。
ほんでやね、そのためにはやっぱり勉強しなくちゃいけまへん。実は静岡県ちうのを県庁ちうのは、別の言葉で言うとシンクタンクや。毎日毎日、野菜を売ったり、せやなかったら牛の世話をしたりとか、せやなかったら物を作ったりとか、ちうことと違って、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たちや。やろから、それを磨く必要があるんやね。それは磨き方、いろいろあるんや。知性を磨くちうこと。ほんでやね、やっぱり感性も豊かにしなくてはいけへん。体がしっかりしてへんといけまへんね。やろから、文武芸、三道鼎立と。文武両道で言うでっしゃろ。せやけどダンさんやね、美しい絵を見たり、ええ音楽を聞いたり、映画を見たり、演劇を見たりした時に感動する心ちうものがあると望ましいちうわけや。やろから、オノレの知性があの人におよばないなと思っても、知性ちうものを大切にするちうことが大事やね。そのためには勉強しなくちゃいけまへん。
ほんで体を鍛えるちうわけや。せやけどダンさん、スポーツが苦手な人もいらっしゃるでっしゃろ。スポーツを楽しむことはできまんねんね。無芸大食の人もいるでっしゃろ。せやけどダンさん、芸術を愛することができまっしゃろから、文武芸、三道鼎立ちうことで、豊かな人間になっとっただきたいと思うで。
人に情けをかける、物の憐れを知ると昔から言われまんねんけれども、人に情けをかけることは、情けは人のためならずちう言葉がありまして、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん，要は人のために助けるんやけれども、結果的にはオノレのためになっとるちうことが多いのや。
やろから、人に情けをかけるちう、困っとる人を助けるちうこと、こうしたことをやっておくんなはれ。わいは今、実は8つぐらい言ったわけや。「身にわいを構えず」、「上にへつらいまへん」、「正直である」、「上にへつらわず下にいばらず」と「人の艱難見捨てへん」「情理を尽くす」「恥ずかしいことはせん」ほんでやね「心理を貫く」「情理を知る」、「人に情けをかける」ちうことを言おったんやが、富士山やろから、末広がりで8つちうことやけどアンタ、わいが自らに課しとることもついでに言っておきまんねんと、「来るものを拒まない」。知事室にお越しになる可能性があるとも思うでけれども、開けっ放しや。東館の5階にあるんや。わいの知事室は16年前までは開かずの扉で、部長はん、せやなかったら副知事はんしか入らなかったそうやけどアンタ、わいは就任の日から、観音開きの扉は開けっ放しや。やろから、いつでもぶちこむようにしてあるんや。来るものを拒まないちうそういう気持ちを表してるんやね。
ほんで助力を惜しまないちうわけや。そのために存在してるのだと思っておるさかいに。大事なことは次や。「見返りを求めへん」ちうことや。どエライ大切なことやね。助けてやる代わりに、これこれ見返りをって絶対にいけまへん。来るものを拒まず、助力を惜しまず、見返りを求めず。これを実際にしてきたんや。
今、静岡県も注目されていまんねん。移住希望地の日本一が4年連続や。いっぺんに移住してくる人が毎年増えとるんやね。2020年に1300 人ぐらい、2021年に1800人～1900人くらいちうわけや。2022年では2600人いるちうわけや。昨年度どうなるかちーとばかしまだ数字が出まへんけれども、その実際に移住してくる方々の年齢構成もわかっておりまして、30代前後の人が8割を超えておるんや。驚くべきことやったちうわけや。ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん，要は、2020年で81.4％の30代前後。2021年で82.数％。それは2022年で83％、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん，要はちょうど30前後になるんやとお子様ができたりやね、結婚したり。一番お金がかかる時やね。そのヤカラがやね。静岡は食材も豊富だし、自然も綺麗だし、これからのように家の中で巣ごもりしなくても外に出てやね、動かせるちうこともあるかもしれまへん。ワイが思うには、お子はんのためではおまへんかと思うで。それといっぺんに、仕事もオンラインでできるようになりよったちうこともあって、交通の便もええやろから。したがって移住が増えとるのではおまへんかちうふうに思っていまんねんけれども、やろから選ばれる県になっとるんやね。
去年、皆はん方もエライやったと思うでけれども、ようやっと5月に感染症が5類になって、またマスクされとる人は大事なことや。また、感染病のリスクに用心することがどエライ大切やけれども、基本的にやね。正常にだんだんなりつつあるんや。そないな中で昨年、文部科学大臣からやね。静岡にも東アジア文化都市の日本代表になっておくんなはれ、と。日本・韓国・中国、その各国から一つの自治体が選ばれまして、その国のその年の文化の顔になって、それが去年やったんや。2023年やったちうわけや。ほんで、それまで9つの自治体がやってきたんやけど、その記録をみな塗り替えたんや。数字を上げまんねんと、大体参加しとる人の数の最高が360万人ぐらいやったんや。1,000万を超えまして1,378万やったかね。ものどエライヤカラがやね、その文化活動に参加したんや。ほんで、いろいろな認定された事業ちうのではあるんやけども、これもやね、そういうことで300件ぐらいやったと思うでけれども、静岡県で1000件近くになったんや。
ほんでこれは経済波及効果ちうのがあるんや。経済波及効果ちうのは、それまでの最高が九十数億円やったんやけどアンタ、345億円といったそういう報告書が出ておるさかいに、ご覧になればええと思うでけれども、みなの記録を塗り替えてやね。言ってみればなんちうんでっしゃろね、日本の本当に顔、文化首都やね。もう自他共に許すと言ってもええぐらいになったんや。
ほんで、これからパリオリンピックが開かれまんねんけれども、富士山が世界遺産になりよったのが11年前の6月やったちうわけや。ほんでやね。お茶畑が世界農業遺産になりよったり、ワサビが世界農業遺産になりよったり、とうとう世界クラスの地域資源と人材、オリンピックで金銀銅メダルを取るとか、先生のようにノーベル賞をとられるとか、そういう世界クラスの地域資源と人材源がやね、今150件を超えておるんや。ちょうど11年後、11年ちうと、月数に直すと132カ月、11年で。1カ月に1件以上の割合で世界クラスが降ってくるんやね。そういう県や。数字がそれを示したわけやね。
やろから、今、ウクライナであるとか、せやなかったらガザのヤカラ、人を殺めるちう本当に悲惨なことが起こっていまんねんけれども、一方で国際連合ちうのが戦後つくられまして、ほんで世界を平和にしていこうと、ほんでいろいろなプロジェクトを起こしとるんやけども、その中に「サスティナブル ディベロップメント ゴールズ」なんちうか，ようみなはんいわはるとこの「SDGs」ちうのがあるんや。17のゴールが書かれとるんやけども、190数カ国あってやね。一番近い理想に近いトコはどこの国かちうと、観光客がたくはん増えとることもあって安全やからやね。きれいな日本ではおまへんかと思うで。完成形はおまへんけど、生まれて死んでいく会社が潰れるといろいろなことがあるさかいに、完璧な姿ちうのは、これは理想を追い求めなくてはいけまへんけれども、完璧ではおまへんとはいえ、一番理想に近いトコに日本はいると思うで その47都道府県の中で、一番理想に近いのはどこぞといった時にやね、ふじのくに静岡県といってもやね、そう当たらずとも遠からずちうふうに思うでね。ええ時に入って来られたんや。今はブームやね。
3月23日から浜松の浜名湖畔、そこに「フラワーパーク」ちうのと「ガーデンパーク」ちうのがありまして、フラワーパークは市に管理されとるんやけど、塚本こなみ先生が美しい花を展示されていまんねん。ほんで4月6日、今週末にはガーデンパーク、静岡県が管理しておるんやガーデンパークもオープンいたしまんねん。6月の初めまでやね、花の祭典、2004年に花博がありまして、ちょうど20周年ちうことで「花博2024」ちうのが開催中や。ガーデンパークの見どころを言っていきまんねんと、世界で最も美しい庭を作れる人。これは世界で最も歴史の古くさい「チェルシーフラワーショー」っていうロンドンにあるんやけれども、20世紀初めからあるんや。それのロイヤル ホーティカルチャー ソサエティーのトップはこないだまでエリザベス女王やった、今はチャールズ3世やね。そのエリザベス女王がオノレの息子のように、すごく「この人は緑の魔術師だ」と言った人がいまんねん。その人が石原和幸はんと言いまんねんけれども、石原和幸はんが花博2024のためにやね、翡翠ナントカちう富士山と浜名湖を2つを一体にしたものを作ったちうわけや。ほんで、「のたね」食堂ちうのがあるんや。そこに若い学生はんたちがデザインした「のたねデッキ」ちうのがあるんや。そこを登ってみるのもええでっしゃろ。ほんで一番奥に、花の美術館があるんや。そこも見どころや。ほかにもたくはんあるんやけど、そういうトコを巡られて、静岡県は花の都なんだなちう風に思ってもらうわ。浜松ちうのはものづくりの商工はんの街かと思っとったら、こないな綺麗な所があるちうわけや。
実は食べるものもたくはんあるんや。食材は439あるんや。2位の所は、どこの県とは言いまへんけど218や。食材の王国や。花の数もなんちうか，ようみなはんいわはるとこの品種としては704あるんや。花の都やね。食の都、花の都やね。そういう自然豊かなトコであるさかいに、ほんで生産量を定率して明るく、富士山に向かってこういう仕事をしたと言えるようなやね。そういうこれからの公務、ほんで素晴らしい人生、充実した人生を送ってくださるようにお祈り申し上げまんねん。改めて皆様方をお迎えできたことをエライ光栄に思っておるんや。以上や」
