- 作者: 小谷野敦,斎藤貴男,栗原裕一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2005/09
- メディア: 新書
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誤った前提(喫煙リスクの過小評価)に始まり、理屈をこね回したあげく、誤った結論(ありもしない「禁煙ファシズム」への恨み言)に至る。
喫煙者の自由を奪っているのは、「禁煙ファシズム」などではなく、タバコそのものである。喫煙者は、政府によって合法化されたニコチンに支配され、心身の自由を奪われている。喫煙による健康リスクは言うまでもない。喫煙者こそ、タバコの最大の被害者であり、犠牲者である。従って、喫煙者対非喫煙者という対立の構図で捉えることは適切でない。非喫煙者をいくら「論破」したとしても誰のためにもならない。著者はいわば「議論に勝ってタバコに負けた」といえよう。
それにしても、自由意思で始めたはずの喫煙習慣を止めることは、いかに苦しく、難しいことか。喫煙者は、本書により喫煙習慣を正当化するのではなく、禁煙(断煙)への決意を持ってほしい。
5月31日は「世界禁煙デー」。「禁煙ファシズムと戦う」と戦うことを思いついたが、すでに先達*1がおられる由。勇気ある発言と行動に、賛辞を送りたい。
小さな棒を口に入れたり出したりしてごらん
アラ不思議、やめられなくなっちゃったよ!
http://winefs.net/tabakome/tabakome.html
*1:「ワイネフ」こと藤本祥和氏。http://ameblo.jp/winef/