タバコの害については、すでに多くの実証的分析がなされている。発ガン性物質、放射性物質(ポロニウム210)をも含む多種多様な有害物質。そして喫煙とガンやCOPD*1、バージャー病*2などの重篤な疾病との密接な関係。喫煙者の寿命が相対的に短いといっても「太く短く」生きるのではなく、晩年において平均15年間にもおよぶ長く苦しい闘病生活..
しかし、それ以上に恐ろしいのは、ニコチンの依存性が人間の理性を支配し、タバコをやめたくてもやめられない状況を作り出す点にある。高い教養と分別のある人間でさえ、これから逃れることは難しい。
さらに、これらの事実を巧妙に隠蔽し、国民の健康を阻害するだけでなく、経済的にも国民に大きな負担を強いつづける政府とタバコメーカーの姿勢にも重大な問題がある。いずれ、タバコは第2のアスベスト問題、否それ以上に巨大な社会問題に発展するかもしれない。