「受動喫煙の防止等に関する条例の改正について(改正骨子案)」*1に関するパブリック・コメント

兵庫県健康福祉部健康局健康増進課 受動喫煙対策班 御中


 「何人も、20 歳未満の者及び妊婦の近くではたばこを吸ってはならない」は、最も受動喫煙被害を避けなければならない者を守るという点において、本条例案の最も重要なポイントである。特に「居宅等の私的な区域であっても 20 歳未満の者及び妊婦と同室の空間で喫煙してはならない」という画期的な内容を盛り込んだことを高く評価する。

 しかるに「居宅等」にはマイカー等の私有の車両も含むと解されているところ、公道を走る車内に子供が同乗した場合の喫煙に対する罰則に「車を止めるのは無理」などという意見が出ていると聞く。それならばタクシー内での喫煙に罰則が適用されることや、道路交通法においてスピード違反等に罰則規定があることとの整合性が取れない。

 たとえ私的な空間であっても他者に受動喫煙の被害を与えることは条例違反であり、罰則を適用すべきである。オーストラリアでも未成年者が同乗するマイカー内で喫煙すれば罰則が適用される。そもそも場所がどこであれ、親が子を傷つければ傷害罪、殺せば殺人罪である。

 条例の検討・制定・運用の各段階で、日本たばこ産業やタバコ流通・販売に係る業界団体、禁煙に消極的立場をとる飲食店等の業界団体、これらを支持母体とする政治家等が本条例の内容に反対し、運用を骨抜きとする妨害活動を展開することが強く懸念される。

 兵庫県においては、井戸知事の強いリーダーシップの下、上記の見直しを含め、国や東京都の対策を上回る実効性ある受動喫煙対策を講じることで、兵庫県の都市としての価値を大きく向上させることを強く期待する。

 受動喫煙の防止は欧米での法制化が先行し、我が国の取り組みは遅れていると言わざるを得ない。東京都をはじめとする各自治体は先を争って受動喫煙防止条例の制定を急いでいる。兵庫県におかれても他の自治体に遅れることなく、より厳格な受動喫煙防止条例の制定と運用を通じ、都市としての価値を増進させることを強く期待する。