東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第288回定期演奏会(高関健常任指揮者就任披露演奏会)

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第288回定期演奏会(高関健常任指揮者就任披露演奏会)
[出演]高関 健(Cond)、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
[曲目]スメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲
高い城〜ヴァルタヴァ(モルダウ)〜シャルカ〜ボヘミアの森と草原から〜ターボル〜ブラニーク
<プレ・コンサート>
宮沢賢治作詞作曲「星めぐりの歌」による変奏二重奏曲より
第3楽章「サラバンド」、第2楽章「ブーレ」
作曲:田崎瑞博、ヴァイオリン:吉田巧、チェロ:香月圭佑

「わが祖国」全曲をライブで聴くのは人生2回目、かれこれ18年ぶり*1。高関氏の指揮は、右手でタメをつくって左手の合図で一気に爆発させるなど、メリハリの効いたわかりやすい演奏。オケも指揮者の要求によく応え、華々しい東京デビューを飾った*2
全6曲の連作交響詩を休憩を挟んで前後半に3曲ずつ分けての演奏。この場合、拍手をどこで入れるかという問題がある。A:一曲ずつ拍手する*3、B:6曲全部終わってから拍手する、C:前半と後半の最後に拍手する。連作と言えどそれぞれが独立した楽曲と考えればA*4、6曲全部で一つの作品と考えればBだが、正解はAとBの間をとって?C。現実解といったところか。
それにしても、スメタナの音楽は、西洋のものをありがたく拝聴するというより、日本人にはどこか懐かしさを覚える。私にとって「高い城」とはすなわち姫路城であり、ヴァルタヴァ(モルダウ)は淀川である。

*1:初回は1997年1月25日(土)新交響楽団第156回演奏会 指揮:小林研一郎 東京芸術劇場

*2:アンコールがなかったのは残念だがプレ・コンサートがあり、詩の朗読も含めて面白かったのでよしとする。

*3:Aの例として、ヴァーツラフ・タリフ指揮/チェコフィル(1939)

*4:実際、6つの曲は1874年から1879年まで順次作曲されており、特に第4曲と第5曲の間には3年間のブランクがある。第5曲と第6曲は連続性があることも考慮すれば、第4曲のあとに休憩を入れ、後半は残りの2曲+アンコールとしたほうがよかったのではないか。