日本フィルハーモニー交響楽団 第613回定期演奏会

ARK Hills

2009年9月5日(土) 午後2時開演 サントリーホール
指揮:ピエタリ・インキネン[日本フィル首席客演指揮者]
ヴァイオリン:樫本大進
ショスタコーヴィチ/祝典序曲
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ交響曲第5番
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi?action1=preview_details&seq=484

吹奏楽でおなじみの「祝典序曲」。原曲のオーケストラによる演奏は今回初めて聴いた。序盤、やや硬さもあったが徐々にエンジンが暖まり、コンサートの冒頭を大いに盛り上げた。
ヴァイオリン協奏曲といえば、ベートーヴェンブラームスメンデルスゾーンチャイコフスキーパガニーニ、ベルク、プロコフィエフストラヴィンスキーハチャトゥリアンと名曲が目白押しだが、このシベリウスも十指に入ろう。ここに挙げた作曲家のヴァイオリン協奏曲は全てCDを持っているが、チョン・キョンファの弾いたシベリウスのCDは約20年前にうっかり落として再生面に傷が付き、第1楽章の途中にブツブツと耳障りなノイズが入ってしまってから聴かなくなっていた。ところが最近このCDをMP3に変換したところ、なぜかきれいにノイズが除去された。
メインのショスタコーヴィチ交響曲第5番は、各楽章がいずれも充実した音楽で聴き応えがあった。特に管楽器は多くのソロをこなした1番奏者だけでなく2番以下もしっかり鳴っていて、サウンドに厚みを加えていた。注目の第4楽章のコーダは期待を裏切らない遅いヴァージョン*1で、ニ長調の華麗で重厚なハーモニーに圧倒された。
プログラムのメンバー表で確認したところ、今年5月のアルプス交響曲の時と比べて(客演主席トランペット奏者のオッタヴィアーノ・クリストーフォリ氏がなぜか2009年9月1日付で急遽就任した他)ほとんど変わっていないのに、個人技、アンサンブルとも格段によくなっていたような気がするのは気のせいか。
インキネン*2氏と日フィルのコンサートは2008年4月のチャイコフスキー交響曲第4番がCD化されている。今日の演奏も、ぜひCDかDVDにしてほしい。

*1:コーダのテンポについてはWikipediaの記述を参照

*2:フィンランド人の名前には「〜ネン」というのが多い。指揮者ではエサ=ペッカ・サロネンが有名。昔、スキージャンプ選手に「アホネン」という選手がいた。それならば「ソヤネン」「チャウネン」「パーデンネン」というような名前のフィンランド人もいるのではないか?というネタを「探偵!ナイトスクープ」でやっていたのを思い出す。