「会社法施行規則」の発表

本日、待望?の「会社法施行規則」(いわゆる法務省令)の確定版が発表され、官報、法務省サイトに掲載された。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji107.html
案のときはいくつかの省令に分かれていたものが、今回「施行規則」に一本化された由。例によってタテ書きのスカスカPDFファイルで、なんと325ページもある!しかもテキストコピー不可に設定されているのは、何かの嫌がらせだろうか?
で、問題の内部統制に関する部分は、第100条(監査役設置会社の場合)あたりに記載されているが、内容的に大きな変更はなし。「株式会社」の前に「当該」がついたぐらいで..従ってコピー&ペーストする必要もなし..せめて順番は見直してほしかったところ。何ゆえに「情報の保存と管理」が省令の第1番目に来るのか、理解に苦しむ。
また、パブリックコメントの結果も発表され、同じ法務省サイトのパブリックコメントのページに掲載されている。
http://www.moj.go.jp/PUBLIC/index.html
しかし、意見は要約のみの紹介にとどまり、法務省の回答(「意見についての考え方」)も木で鼻をくくったようなもの。想定の範囲内とはいえ、言うだけ損したっていうか、残念無念..こちらのPDFファイルはテキストコピー可なのがせめてもの救いか。せっかくなので少しコピってみる。

4 株式会社の業務の適正を確保する体制に関する法務省令案関係
(中略)
(2) 「効率性」(4条から6条まで)
株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制として定める事項の具体的な内容として「取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」等を規定することに関して,「効率性」については,業務の適正を確保するための内容として含まれるか疑問であり削除すべきであるとする意見等が寄せられた。
(中略)
上記の意見については,「適正」には「効率性」も含まれると考えられることから,原案は相当であると考える。
(後略)
(「「会社法施行規則案」等に関する意見募集結果」より、太字は引用者)

そもそも「「適正」には「効率性」も含まれると考えられる」かどうかに疑義があるといっているのに、それを根拠として「原案は相当」と強弁するのはいかがなものだろうか..そんなことをいうなら、膨大な、しかもテキストコピー不可のPDFをやめるべきではないか。企業の業務の効率性を明らかに阻害しているから。
 
本件、本日の日経新聞朝刊のトップ記事になったが、11面に関連記事を発見。  

..すべての大会社(資本金5億円以上か負債200億円以上)は会社法施行後、最初に開催する取締役会で「内部統制システム」の体制を決議する必要がある。こうすれば完ぺきだというマニュアルはなく、担当者の増員など人事配置にも響くため「駆け込みで相談を受けるケースは多い」(某法律事務所)という。
(本日(2006年2月7日)付の日経新聞11ページの関連記事より、太字は引用者)

弁護士事務所に駆け込みで相談してから取締役会で決議する内部統制システムの体制って一体..??orz