リスクミニマムの人生

人生には、2つのリスクがある。一つは死ぬリスク。もう一つは、生き(続け)るリスクである。リスクの貨幣価値を保障する商品が保険である。前者のリスクには生命保険が、後者には医療保険が対応する。

死ぬリスクに対して、どれぐらいの保険をかけるのが妥当かを知るには、将来の収入と支出の見込み、それに死んだときの経済損失を見積もり、不足額を計算すればよい。この点、日本生命のシミュレーションサイトが手軽で、よくできている。
http://www.nissay.co.jp/kojin/simu/index.html

5分程度、必要な数値をインプット(不明の場合は平均値を自動セット)すると、万一の場合の所要資金額が死亡時期別に算定される。保険会社によっては、面談方式で1時間もインタビューを受けないと計算できないというところもあるようだが、画面上で時間もお金も手間もかけずに大まかな金額がわかれば十分である。その上で、どこの保険会社と契約するかをじっくり検討すればよろしい。

さて、私の場合、死亡した場合の必要保障額は、当初のん千万円から経年順に漸次減少していき、2010年には約半額、それ以降は0円と出た。すなわち、死ぬリスクは、生き続けることによって年々目減りしていくので、生命保険についてはいわゆる変額保険(保険金総額=月額保険金×残保険期間月数)に入るのが合理的である。

生き続けるリスクに関しては、病気になったときの医療(治療+入院)費に付保すればよい。同じサイトで医療費の試算をしたところ、胃がん、高血圧性疾患等にかかって入院した場合の自己負担額は、1万5千〜2万円/日と出る。なので、1日当たりの入院費用をカバーできる医療保険に入ればよいということになる。

しかし、病気をしたときは生活費もあまりかからない(遊びに行ったり、飲みに行ったりできない)ので、健康時の生活費の一部を入院費に充当すればよい(毎日1万5千〜2万円も遊んで飲んでいる人は医療保険は必要なし?)。普段からそれなりに貯金しておき、節制に心がければ、病気になるリスクが減り、いざと言うときも貯金を取り崩せばよいので、そもそも保険料自体がもったいないのかもしれない。もちろん、早死にすれば、生き続けるリスクは直ちに消滅する。

以上のことから、計算上は、今後、病気やケガに気をつけながら2010年の大晦日にぽっくり死ぬというのが、私にとってリスクミニマムの人生ということになる。あまりにも超合理主義的ではあるが..