シンドラー社の「謝罪」会見

ワールドカップの話題に埋もれそうな気配だが、気になるニュースについて。

シンドラー本社最高責任者が陳謝「初期対応悪かった」
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来日したスイス本社エレベーター・エスカレーター事業のローランド・ヘス最高責任者は「(今回の事故で)エレベーターは危険だという印象を与えてしまった」と謝罪する一方で、「製造や設計が原因になった死亡事故は過去に1件もない」と強調した。

 ヘス氏は会見が事故から9日後になったことについても、「事の重大性を見くびっていた。初期対応が悪かった」と陳謝し、「日本は安全の意識が高い。一般大衆の反応がつくづく大きいと感じている」と述べた。
(読売新聞、太字は引用者)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060612-00000311-yom-soci

いったい、これのどこか「謝罪」「陳謝」なのか?この記事を書いた記者は、小学校の国語からやりなおしたほうがよい。アタマを下げたからといって謝ったことにはならない。「危険だという印象」「事の重大性を見くびっていた」「一般大衆の反応がつくづく大きい」などの言葉は、常識的には、日本の顧客に対して謝罪するどころか、逆にケンカを売っているようにしか見えない。日本の国民感情を逆なですると痛い目にあうということは理解したのだろうが、その認識を正直に?表明してしまっては、よけい感情を逆なですることになってしまうことは理解できていないということか。

日本のマスコミは、こういう企業不祥事(事件そのもの+対応のまずさ)に対して激しくバッシングするのが「お家芸」ではなかったのか?(決してそれがよいというわけではないが)
某食品会社の社長を会見で長時間にわたって追及し、さらに帰ろうとする社長をエレベータまで追いかけていき「俺だって寝てないんだ」とまで言わせたあの迫力はどこへ行ってしまったのか。

シンドラー社については、ある意味、リーガルリスクマネジメントがしっかりしている会社なのかもしれないが、こういう態度を改めない限り、日本市場で商売することはできないと思う。以上。