第50回ティアラこうとう定期演奏会

曲目
團伊玖磨:オペラ「夕鶴」(演奏会形式)

指揮:高関 健
つう:腰越 満美
与ひょう:小原 啓楼
運ず:谷 友博
惣ど:峰 茂樹
児童合唱:江東少年少女合唱団
http://www.cityphil.jp/concert/detail50.html

日本人ならほぼ全員が知っている「鶴の恩返し」の別バージョン「鶴女房」*1に基づく木下順二作の戯曲に基づく團伊玖磨作曲のオペラバージョンの演奏会バージョンの演奏会*2。木下は戯曲の一言一句を変更しないとの条件付きで團に作曲を許可した由*3
おそらく外国人にはその機微が理解できないであろう情緒纏綿たる日本的ストーリー。つうと与ひょうの会話が延々と続き、悔恨と哀愁のフィナーレを迎える。
つう(腰越満美)の透き通った高音が特に素晴らしかった*4。要所要所で登場した児童合唱の江東少年少女合唱団も好演。

*1:鶴が老夫婦の所にやってくるのが「鶴の恩返し」、独身の若い男の所にやってくるのが「鶴女房」

*2:この演奏会はNHKによる録音があり、前説で登場した指揮者の高関氏から音をたてないよう注意があった。にもかかわらず演奏中、特に静かな場面で派手な咳をしていた聴衆がいたのは残念。心配なときのコンサートにはのど飴かトローチを持参すべき

*3:いわゆるひとつの著作者人格権、同一性保持権の行使

*4:男声3名はいずれもタキシードの舞台衣装にやや違和感あり。演奏会バージョンとはいえ、着物にしてほしかったところ。つうだけは和テイストの衣装で、特に第2部で鶴の翼を表現していたのはよかった。但し機織りを終えてヘトヘトの状況でハイヒールの踵をコツコツ鳴らしながら颯爽と登場するシーンは如何か