仕事術

仕事術 (岩波新書)

仕事術 (岩波新書)

あらゆる仕事の基となる考え方からすぐに役立つ実践的なノウハウまで、自らの経験や豊富な実例を挙げつつ、著者独自の概念を駆使しながらも、平易に解説。
「公私融合」をキーワードに、「手の技術」「縁の技術」「知の技術」、そして「育む技術」と続く。

 〜第3章 手の技術/仕事を覚える手順 より抜粋(80〜81ページ)

仕事は「見る・する・知る」の三段階で覚えていくのがいい。また、それぞれの間に「考える」を加えるとその仕事を早く自分のものにできる。そうして仕事の全体像がほぼ見えるようになったら、関連のある道具の使い方、道具の揃え方、道具の作り方といった順序で人と道具の関係を確認する。道具は、仕事において人間の能力を拡張する役割を果たす。勤労者の分身といってもよい。
ものづくりで新人は、何といっても道具の使い方を覚えるのが先決だ。それには道具の名前を覚え、その道具がどのような働きをするのかを知らなければならない。
  (中略)
時代が変わって今はコンピュータが道具の一つである。だからコンピュータのハードとソフトの原理について知っている人は強い。コンピュータを扱えるだけでは足りない。その仕組みについて知るほどにしっかりした働き手になれる。基礎をできるだけ知るように努めたい。

まさに、シスアドとしては「我が意を得たり」といった記述である。
TBSの「どうぶつ奇想天外」で、サルの群れの中で、道具を使えないサル→他のサルの道具の使い方をまねられるサル→道具をつくることができるサルの順で、エサにありつくチャンスが大きくなる実験をしていたのを思い出す。
面白い時代がやってきた。