機内食の作法(ANAエコノミー編)

機内食をエコノミーの狭い座席で要領よく美味しくいただくのは意外に難しい。周りを見るとかなり苦労して食べている乗客もおられるようだし、こういった情報はあまり世の中に出ていないと思われるため、一例として私の作法を紹介する。
 
1.飲み物の選択

料理が配られると、まず飲み物を選択する。ANAでは最初の飲み物は全て冷たいものばかりである。熱い緑茶、紅茶、コーヒーは食後まで提供されない。従って最初に熱いお茶などを頼むと客室乗務員の手を煩わせることになり、他の乗客を待たせるなどマナーに反することにもなる*1。ちなみに真偽のほどは定かでないが、上空の機内では、気圧の関係かワインの味がよくなるという説がある。確かに、エコノミーの安ワインでもそんな感じがしないでもない。逆にビールやコーラは泡が立ちすぎたりして難儀する場合がある。ここではワインの例とする。メインのお皿にはフタがついていて、料理の名前が書かれている(書いてないこともある)。できれば中身を素早く確認して、赤か白かを決めておけばスムーズにオーダーできる。ワインは、プラスチック製の細いミニボトルと逆台形のプラカップで提供される。即ち、少しずつ飲むには、大変不安定になる。そこで、カップホルダーの穴*2カップを差し込み、ワインを全部注ぎ込んでしまうのがよい。こうすればワインの残量を確認しながら食べる量とタイミングを調整することもできる。ワインを注いだら、ボトルにフタをして、前のポケットに置いておく。
 
2.フタの処理

料理はオードブル、メイン、麺類*3で構成される。オードブルと麺類またはケーキのフタは、裏返して容器の底に格納できるが、メインの容器は少し深みのある陶器の中に置かれていて、構造上フタを格納することができない。さりとてこのフタを前のポケットに入れたりすると雑誌や持ち物を濡らしたり汚す可能性があり、オススメできない。ここでは、カップホルダーの手前に裏向きに置くのがよい。そして、使用済みの調味料の袋などのゴミの仮置き場とするのである。塩やコショーは、全部使ってしまうには多すぎるし、使い残してトレイに置いておくと粉が散乱することもあり、注意が必要である。
 
3.片付け

食べ終わったら*4、全てのゴミをメインのお皿に収納しフタをする。ナプキンはプリンの容器を拭いてから収納するときれいになる。また、このフタは不透明であるので、ゴミが見えなくなり、とてもスッキリした外観になる。ワインのボトルは、前のポケットから取り出し、トレイの隙間に横向きに置くと乗務員が回収しやすい。ナイフ、フォーク、スプーンは容器に入れてしまうと、あとでゴミと分離するためにまたフタを開けて取り出さないといけなくなるので、トレイ*5の上に見えるように置くべきである。
 
以上、ご参考まで。

*1:しかし夏でも熱い飲み物を好む中国人が多い中国線などでは熱い緑茶だけでも用意すべきではないか

*2:ANAは穴あきタイプ、JALは穴なしタイプ。当然、安定性はANAのほうがよい。但し、ホルダーから取り出すときの力加減に注意が必要

*3:またはケーキ。ケーキのない場合、メグミルクの「とろけるカスタードプリン」がつく「とろけるプリン」はティーカップの中に収納されている

*4:肝心の食べ方の作法を書いていないが、各自ご随意に。

*5:このトレイは熱のためか時々変形しているものが散見される。トレイが回転したり滑ったりして料理をひっくり返す危険があり、不良品はきちんと取り除いていただきたい。