バリウムの重篤な副作用

年に1度の健康診断。最近は、受診率が低い部門は人事部からお叱りを受けるのだが、たった4人の職場なので1人も欠けるわけにはいかない。

40歳以上の社員は「ドック検診」に指定され、毎回胃のX線検査がある。義務ではないが、自分の健康のために毎年バリウムを飲むことにしている。今回は、検査のあとにこんな注意書きを渡される。

胃部エックス線検査を受けられた方へ
バリウム製剤投与後の重篤な副作用として、消化管内にバリウムが停滞することにより、まれに消化管穿孔(消化管に穴が開く)、腸閉塞(消化管にバリウムが詰まる)が起こり、その結果としてバリウム腹膜炎などの重篤な症状を引き起こすことが報告されています。また、高齢者の方の場合、より重篤転帰をたどることがありますので、検査後にできるだけ早くバリウムを排泄させるため、次の点に留意ください。

「まれに」とはいえ、健康診断のために飲んだバリウムが腸に詰まって重篤な副作用を引き起こすことがあるとは、聞き捨てならない。しかも「より重篤転帰をたどることがあります」なんて婉曲な言い方をしているが要するに「死亡することもあります」ってことでは?
で、対応策としては、

1.便秘気味の方はお申し出下さい。
2.検査後にはできるだけ早くバリウムを排泄させる必要がありますので、受け取った下剤は必ず指示どおりに、できるだけ多くの水分で服用してください。
3.帰宅後もできるだけ多くの水分を摂ってください。
4.便意を感じなくても、定期的にトイレに行くよう心がけてください。
5.検査後の数日間は、排便の状況を確認していただき、バリウム便が排泄されない場合や持続する便秘、腹痛などの症状があらわれた場合には、直ちに医療機関を受診してください。

要はたっぷり水分を摂り、まめにトイレに行くという原始的な方法しかない由。しかも最後に恐ろしい一文が。

6.バリウムが排泄されず、長時間腸内に残っているとだんだん硬くなり、より排泄しにくくなります。

来年からバリウム飲むのをやめとこうか..どうせ飲むのならカラダによいもの(豆乳とか)を使った造影剤を開発してもらえないだろうか..
 
・・・・<追記 2006.7.19>
まさに「より重篤転帰をたどる」事例があった由。おー怖。

バリウム飲み腸閉塞、85歳女性死亡 山口、集団検診

 山口県岩国市の胃・大腸がん集団検診で、バリウムを飲んだ同市内の女性(85)が腸閉塞(へいそく)を起こして死亡していたことが17日、分かった。
 厚生労働省は昨年11月、消化管の運動機能が低下している高齢者がバリウムを服用すると、腸閉塞や腹膜炎など副作用が起こる例があると注意を呼び掛けていた。

 岩国市によると、女性は7月3日、検診でバリウムを飲み、4日朝に腹痛を訴え市内の病院に入院した。バリウムが腸内で固まって腸閉塞を起こし、6日の手術後、容体が急変し死亡した。

 検診では通常の量のバリウム150ccを飲み、検診後に下剤を飲んだという。

 集団検診は、市の委託を受けた山口県厚生農協連合会が7月3、4日に実施。死亡した女性を含む110人が受診した。

岩国市健康福祉部は「女性の家族や病院から事情を聴いて因果関係を調査したい。関係機関と協議し再発防止を徹底する」と話している。

(07/17 17:20)
Sankei Webの記事より