J-SOX実施基準が確定

とうとう、2/15の企業会計審議会の総会で、いわゆる「J-SOX」の実施基準が承認された。

「適用時期は延期しない」――日本版SOX法の基準と実施基準が正式公開へ(内部統制.jp)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070215/262066/?ST=tousei
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総会では、企業会計審議会委員から「内部統制報告制度に対し、市場では誤解が生じているのではないか」、「もっと詳細な指針があった方が良いのではないか」などの意見が出たものの、意見書は了承された。

数多のパブリックコメントを無視し、総会でも委員から上記のような強い異論が出たにもかかわらず、原案の通り承認されてしまった由。無念である。

総会後の記者会見では、内部統制部会長を務める八田進二 青山学院大学大学院教授が「基準、実施基準が確定した今、もっと正確な情報を伝えれることに力を入れたい」と強調。実施基準をより詳細に解説した「Q&A集」の作成について金融庁は、「今後の様子を見たい。ただし、基本的には今後出てくる政省令などのガイドラインによって、明らかになると考えている」との見通しを示した。

いや、金融庁「懇切丁寧」と自画自賛する実施基準ができたのだから、さらに「もっと正確な情報」を伝えることなど不要なのでは? もし正確な情報が伝わっていないとすれば、それを実施基準の「本文」に書くべきではなかったのか。
「今後出てくる政省令などのガイドライン」とは、パブリックコメントに対する「考え方」として「Q&A等の作成については、その作成の要否を含め、行政において適切に判断されるべきもの(2007/01/31 内部統制部会 資料1)」としていたことを指しているものと思われる。しかし、いつ、どこから、どんな「政省令などのガイドライン(これも変な日本語だが、「政省令」は「ガイドライン」なのか?)が出るかを明らかにせずに、一体なにが「明らかになると考えている」のだろうか。さっそくだが、まさにここで「もっと正確な情報」を伝えてほしいところである。

コンサルティング会社や監査法人、ITベンダーなど、『これを商機』と思っている企業に振り回されないで、経営者自らが自社にふさわしい内部統制の整備方針を決めることから始めてほしい」と訴えた。

「振り回されるな」とは、世間を振り回している張本人が、よくぞ言った。この実施基準をネタに、コンサルティング会社や監査法人、ITベンダーなどが主催するセミナーでの講演や、解説書の執筆・監修等で稼いだりして、まさに「これを商機」とばかりに軽挙妄動するようなマネだけはやめてもらいたい。以上。