高校野球の「不祥事」

高校野球の「不祥事」がメディアを騒がせている。選手を管理・指導すべき立場にある者が暴力をふるったのがけしからんとか、大会が終わるまで事件を公表しなかったのがけしからんとか、果ては殴ったのが平手だったかどうか、回数がどうかとか、そんなことが「争点」になっているようである。
が、そんなことはこの際どうでもいい。最大の問題は、何の責任もない選手たちがペナルティを課される(かどうかはまだ決まっていないが)のは、全く理不尽ではないかということに尽きる。要するに行為者を懲戒解雇にするとか、厳正に処分すればよいだけの話である。
このことは、ソフトボール部に置き換えてみるとわかりやすい。仮に、ソフトボール部の部長(27歳、男性)が選手にセクハラを行ったとしたら、このチームは出場を辞退したり、優勝旗を返還すべきであろうか。答えは否、絶対に否でなければならない。何ゆえに被害者である選手が、さらに懲罰の対象にならなければならないのか。いわゆるひとつのふんだりけったりではないのか。
にもかかわらず、優勝を取り消すかとか、今後の大会出場を認めないとかいった「処分」が取り沙汰されるのは、学校や高野連などのオトナ組織が世間からの追及を逃れるための自己保身の論理といわざるを得ない。真に追及されるべきは、こうした姑息かつ理不尽なオトナの所業である。と私は思うがどうか。