個人情報保護法〜雇用管理情報

個人情報保護法への対応の件、いよいよ大詰めを迎えつつありますが、最後の砦?とも言うべき雇用管理情報の取り扱いについて、厚生労働省から同省ガイドラインの解説(案※)が発表され、パブリックコメントの募集が行われています。(締め切りは2/8)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495040141
 
※:正式名称は「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針(平成16年厚生労働省告示第259号)の解説(案)」
 
#この時期になって、しかも40ページの大作を読むだけでも大変..
 
ちなみに私が注目していた「利用目的」に関する部分では、こんな記述があります。
 
「利用目的をどの程度具体的個別的に特定する必要があるかについては個々具体的な利用目的を詳細に羅列するまでの必要はないものの、抽象的であっても個々の取扱いが利用目的の達成に必要な範囲内か否かを実、個人情報取扱事業者と本人との間で争いが生じることのない程度に明確にしなければならず、こうした争いの発生を未然に防止するためには、当指針第三の九の規定(31ページ参照)により、あらかじめ労働組合等に通知し、必要に応じて協議を行うことが望ましい。」
 
一読、意味不明の文章が続きますが、要するに「労働組合とトラブルを起こさないようにうまくやれ」という趣旨かと..
 
もう一つのポイント、「第三者提供」「共同利用」の使い分けについては、「基本的には事業者間における契約の内容及びその解釈による」とした上で、こう記されています。
 
「〈第三者提供に該当する例〉
1)出向が予定されている者についての個人データを、出向先に提供する場合
2)親子兄弟会社、グループ会社において個人データを交換、提供する場合
3)退職した従業員の転職先に対して、業績に関するデータを提供する場合
4)保険会社に対して、従業員の健康診断記録を提供する場合
5)職業紹介事業者(人材コンサルタント会社等)において、収入等を含む個人データを求人者(クライアント)に提供する場合
 
〈共同利用に該当する例〉
1)金融機関相互間において、ブラックリストを共有する場合
2)旅行業者相互間において、顧客リストを共有する場合
3)ジョイント・ベンチャー企業相互間において、従業員情報を共有する場合
4)使用者と労働組合等において、従業員情報を共有する場合」
 
例えば、出向先への個人データ提供を第三者提供としてオプトアウトした場合、本人が利用停止請求をしてきたら応じなければならないのか?など疑問があります。また、「旅行業者相互間において、顧客リストを共有する場合」、業者間の契約によって共同利用とすることを認めてしまうと、本人からの利用停止請求はできなくなるのでは?とか..
 
ほかにも、この解説(案)には疑問点・不明点が多々あり、パブリックコメントを出してみようと思案中です。