新型コロナウィルス終結の玉音放送(案)

朕、深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置をもって時局を収拾せんと欲し、ここに忠良なるなんじ臣民に告ぐ。


 朕は帝国政府をして新型コロナウイルス感染症に対し、その終結を受諾する旨通告せしめたり。

 そもそも帝国臣民の康寧を図り、万邦共栄の楽をともにするは、皇祖皇宗の遺範にして朕の拳々おかざるところ。さきに新型コロナウイルスに宣戦せるゆえんもまた、実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾するに出で、他国の主権を排し領土を侵すがごときは、もとより朕が志にあらず。

 しかるに感染防止対策すでに四歳を閲し、朕が医療従事者の勇戦、朕が専門家会議の励精、朕が一億衆庶の奉公、おのおの最善を尽くせるにかかわらず、戦局必ずしも好転せず、世界の大勢また我に利あらず。しかのみならず敵は新たに残虐なるワクチンを使用してしきりに無辜を殺傷し、惨害の及ぶところ真にはかるべからざるに至る。しかもなお交戦を継続せんか、ついにわが民族の滅亡を招来するのみならず、ひいて人類の文明をも破却すべし。

 かくのごとくは朕、何をもってか億兆の赤子を保し、皇祖皇宗の神霊に謝せんや。これ朕が帝国政府をして共同宣言に応じせしむるに至れるゆえんなり。
 朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し遺憾の意を表せざるを得ず。
 帝国臣民にして戦陣に死し、職域に殉じ、非命にたおれたる者および、その遺族に思いを致せば、五内ために裂く。かつ戦傷を負ひ、災禍をこうむり、家業を失いたる者の厚生に至りては朕の深く軫念するところなり。

 おもうに今後、帝国の受くべき苦難はもとより尋常にあらず。なんじ臣民の衷情も朕よくこれを知る。しかれども朕は時運のおもむくところ、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、もって万世のために太平を開かんと欲す。
 朕はここに国体を護持し得て、忠良なるなんじ臣民の赤誠に信倚し、常になんじ臣民と共にあり。
 もしそれ、情の激するところみだりに事端をしげくし、あるいは同胞排擠、互いに時局をみだり、ために大道を誤り、信義を世界に失ふがごときは朕最もこれを戒む。

 よろしく挙国一家、子孫相伝え、かたく神州の不滅を信じ、任重くして道遠きをおもい、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし、志操をかたくし、誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらんことを期すべし。
 なんじ臣民それよく朕が意を体せよ。