第56回ティアラこうとう定期演奏会

第56回ティアラこうとう定期演奏会

2019/3/23 (土) 14:00開演 [13:15開場]

◎13時30分より東京シティ・フィルメンバーによるプレ・コンサート

会場:ティアラこうとう江東公会堂)大ホール

音楽界をリードする川瀬賢太郎によるオール・ラフマニノフ・プログラム。日本を代表するピアニスト上原彩子との熱い名演にご期待ください。

出演
指 揮:川瀬 賢太郎
ピアノ:上原 彩子

曲目
ラフマニノフピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
ラフマニノフ交響曲第2番 ホ短調 作品27

 http://www.cityphil.jp/concert/detail.php?id=13&

 ラフマニノフの大作にして名曲2つをそろえたオール・ラフマニノフ・プログラム。手狭なティアラこうとうロビーでのプレ・コンサートはラフマニノフ弦楽四重奏曲第1番よりスケルツォティアラこうとう定期では珍しくほぼ満席の大盛況。上原彩子のピアノは悪魔のように繊細、天使のように大胆な快演にして怪演。1曲目にしてコンサートはすでに最高潮に達したかのような様相を呈した。聴衆の期待を一身に受けたアンコールはまさかのモーツァルト。オール・ラフマニノフ・プログラムなので、ここは個人的希望として前奏曲*1を希望したかったところ。

15分の休憩はトイレ戦争。めったに満席にならない会場でホール以外の施設は極めて手狭なので係員の誘導で各階のトイレに分かれての用足しとなった。同行者は会場を出て地下にあるリハーサル室近くのトイレまで案内された由。

なんとか15分以内で聴衆が座席に戻り、メインの交響曲第2番。この曲は高校生の頃からアンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団の演奏でカセットテープ、音楽CD*2、MP3、そしてスマホの針?が擦り切れるほど聴いた*3

全ての楽章に美しいメロディーが溢れる聴きどころ満載の曲であり、特に第三楽章の甘く切ないメロディーは何度聞いても飽きがこない。*4

今回の演奏会のプログラムでは演奏時間が約50分との記載であったためカット版が使用された模様だが、針が擦り切れるほど聴いた私であるにもかかわらず、実際どの部分がカットされていたかは判然としなかった..

こってりしたメインのあとには、デザート替わりに軽めのアンコール曲*5が聴きたかったところだが、2つの大曲でオケも指揮者も力尽きたかのように終演となった。 

*1:個人的希望としてト長調作品32-5

*2:アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団のノーカット版。アンドレ・プレヴィンのことばより「私は、この長大な作品を演奏するに際して、いわゆる「公認」のカットを黙認してきたことをいつもやましく思っていました。私がレニングラードにいたとき、実際ラフマニノフ自身が終曲における短いカットを許容したという話をききました。スコアをもう一度調べなおしてみて、私はあらゆる音符を復原することにきめました──作曲者自ら行なったという、あの短いカットさえ、元に戻そうと思ったのです」

*3:ライブではたぶん2回目

*4:「らららクラシック」での加羽沢美濃さんの解説がわかりやすく秀逸。「胸キュンメロディーの秘密は、イレブンス。曲の基本となる和音を、かっこよい響きにするために、和音の一番下の音から11個上の音を追加する技です」https://www.nhk.or.jp/lalala/archive170311.html

*5:個人的希望として「ヴォカリーズ」を希望